○3つのアドバイス

─不動産活用をお考えの方へのアドバイスはありますか

■3つほど指摘しておきたいと思います。
まず一つめは、プロデューサーの立場についてです。
先ほどお話ししたように、オーナーが土地活用のプロデューサーに選ぶのは、建設会社の営業マンが多いようですね。
まずここに、もっとも大きな落とし穴がある。
その人たちは建物を建てる業者の利益代表でしかありません。まず「建てる」という方向からは逸脱できませんし、自分の会社の得意分野へどうしてもプロジェクトを導いてゆきたがります。その人たちの知恵なしには建物は建ちませんが、それは事業計画のもっと後ろのほうでよいのです。

二つめは、すべてお任せのスタンスを取らないこと。なぜか資産を持ったオーナーは、一度ある人間を信用してしまうと、意志決定まで委ねてしまう性質があります。プロジェクトを進めてゆく上でのさまざまな手続きをお願いすることと、事業の根本を左右する意志決定とはまったく別のものなのに、それを区別しない。私どもはそのような例をたくさん見てきました。信頼することとすべてを委ねることは違うのですから。

三つめは、自分の事情にあったリスクに対する考え方を、早い時期に編み出しておくこと。リスクの中身が高度化し、複雑化しているため、これは一般の方だけでは不可能に近い難物です。自前主義を止め、良いコンサルタントを見つけることが、何よりの早道なのではないでしょうか。

いずれにしても、今までうまくいったから、あの土地でうまくいったから、といった論理だけでは事業をコントロールできない時代です。
不動産事業を進める上では、リスクマネジメントをしっかり行い、地域風土に根付くモデルを選定し、戦略をいかにカスタマイズするかが最も重要だと思います。

─本日はありがとうございました


2003年5月19日 ブロス事務所にてインタビュー録音



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