ブロスのスタッフによるページです
●人生のための文章 3     S.S.
当社に伝わる、ためになる言葉 その3

最近建築がらみのノーモラルな事件が多いですね。
どの世界も拝金主義に毒されているのでしょうが。
この文章は、医学の世界に伝わる「ヒポクラテスの誓い」の文章を
徳武先生が若かりし時に翻案したもの。
先生30歳ころの文章だそうですが、
後半は今の時代に驚くほど合った警句です。
半分ジョークなのでしょうが、半分本気というところ?



ブロス版「ヒポクラテスの誓い」建築版


建築の巨匠、ガウディ、ライト、コルビュジェ、ミースおよびすべての先達に誓う、私の能力と判断にしたがってこの誓いと約束を守ることを。

○この術を私に教えた人をわが親のごとく敬い、反面教師にも優しい心で接する。

○この道を志す者が学ぶことを欲すれば、嫌がっていない限りこの術を教える。そして書きものや講義その他あらゆる方法で私の持つ建築の知識を分かち与え、モラルの無い者には与えない。

○私は能力と判断の限り建築主と社会に利益すると思う方法をとり、悪くて有害と知る方法を決してとらない。

○頼まれても死に導くような建物を造らない。

○純粋と恐れをもってわが生涯を貫き、わが建築を行う。

○自身で道具を持ち材料を切り出すことは神かけてしない。尊敬とともにそれを業とする者に任せる。

○いかなる場所を訪れるときも、個人と社会を利益するため建築家として行動し、あらゆる勝手な行いを避ける。

○建築に関すると否とにかかわらず、個人のプライバシーに配慮し、関係する個人と組織に対する守秘義務を全うする。

○この誓いを守りつづける限り、私は、いつも建築を楽しみつつ生きてすべての人から尊敬されることを希望する。



参考までに元の「ヒポクラテスの誓い」を日本語訳と英語版で掲げる。

ヒポクラテスの誓い(原文:小川鼎三訳)

 『医神アポロン、アスクレピオス、ヒギエイア、パナケイアおよびすべての男神と女神に誓う、私の能力と判断にしたがってこの誓いと約束を守ることを。この術を私に教えた人をわが親のごとく敬い、わが財を分かって、その必要あるとき助ける。その子孫を私自身の兄弟のごとくみて、彼らが学ぶことを欲すれば報酬なしにこの術を教える。そして書きものや講義その他あらゆる方法で私の持つ医術の知識をわが息子、わが師の息子、また医の規則にもとずき約束と誓いで結ばれている弟子どもに分かち与え、それ以外の誰にも与えない。
○私は能力と判断の限り患者に利益すると思う養生法をとり、悪くて有害と知る方法を決してとらない。
○頼まれても死に導くような薬を与えない。それを覚らせることもしない。同様に婦人
を流産に導く道具を与えない。
○純粋と神聖をもってわが生涯を貫き、わが術を行う。
○結石を切りだすことは神かけてしない。それを業とするものに委せる。
○いかなる患家を訪れるときもそれはただ病者を利益するためであり、あらゆる勝手な戯れや堕落の行いを避ける。女と男、自由人と奴隷のちがいを考慮しない。
○医に関すると否とにかかわらず他人の生活について秘密を守る。
○この誓いを守りつづける限り、私は、いつも医術の実施を楽しみつつ生きてすべての人から尊敬されるであろう。もしこの誓いを破るならばその反対の運命をたまわりたい。』

The Oath of Hippocrates

I swear by Apollo the Physician, and Aesculapius, and Health, and All-heal, and all the gods and goddesses, that, according to my ability and judgment, I will keep this oath and this stipulation-to reckon him who taught me this art equally dear to me as my parents, to share my substance with him, and relieve his necessities if required; to look upon his offspring in the same footing as my own brothers, and to teach them this art, if they shall wish to learn it, without fee or stipulation; and that by precept, lecture, and every other mode of instruction, I will impart a knowledge of the art to my own sons, and those of my teachers, and to disciples bound by a stipulation and oath according to the law of medicine, but to none others. I will follow that system of regiment which, according to my ability and judgment, I consider for the benefit of my patients, and abstain from whatever is deleterious and mischievous. I will give no deadly medicine to anyone if asked, nor suggest any such counsel ; and in like manner I will not give to a woman a pessary to produce abortion. With purity and with holiness I will pass my life and practice my art. I will not cut persons laboring under the stone, but will leave this to be done by men who are practitioners of this work. Into whatever houses I enter, I will go into them for the benefit of the sick, and will abstain from every voluntary act of mischief and corruption of females or males, of freemen and slaves. Whatever, in connection with my professional practice, or not in connection with it, I see or hear, in the life of men, which ought not to be spoken of abroad, I will not divulge, as reckoning that all such should be kept secret. While I continue to keep this oath unviolated, may it be granted to me to enjoy life and the practice of the art, respected by all men, in all times ! But should I trespass and violate this oath, may the reverse be my lot!





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